2016年12月28日 キプロス共和国ラルナカからレバノン共和国の首都ベイルートへ向かいます。前回にも記しましたが、ラルナカからベイルートへの直行便は到着が真夜中なので、ギリシャのアテネ経由にしました。料金は少し高くなりますが、食事付きのエーゲ海の空の旅が楽しめます。
12月28日8:00ラルナカ発、9:45アテネ着。エーゲ航空。
17:00アテネ発、19:00レバノン共和国ベイルート着。到着時に1ヶ月のビザが無料で発給されます。
空港から市内(約10km)への空港タクシーの公定料金は35USドル(当時のレートで3700円)と高いです。しかし少し離れたところで乗ると交渉で15USドル〜になります。また夕方6時頃までなら幹線道路に出て安い市内バスに乗れます。以上は「地球の歩き方」の情報で、最近は空港タクシーの公定料金は15USドルになったそうです。私の場合は少し離れたところでタクシーを探したのですがなかなか見つからず、やっと見つけた車と交渉しましたが20USドル以下にはなりませんでした。暗くなってから着くと周りの状況が分からないので、旅行者の立場は弱くなります。
宿は「地球の歩き方」に載っている「タラルズ・ニュー・ホテル」 へ。予約はしていませんでした。ドミトリー17USドル(1800円)はシングルベッドでした。キッチンが有り。やはりレバノンの宿泊費は高めで、安宿は少ないです。
ある日の夕食。野菜のスープ煮、アラブパン約1kg・115円、缶ビール500ml・95円。
「レバノン共和国」は四国の半分位の大きさで、人口は約560万人です。紀元前13世紀頃からフェニキア人の地中海交易で繁栄した歴史のある国です。通貨はレバノン・ポンド(LP)で当時のレートは100LP=7.5円。USドル払いも一般的です。最近のニュースでは2019年12月に日産自動車の元会長カルロス・ゴーンが裁判中にもかかわらず日本からレバノンに逃亡帰国しました。2020年8月にはベイルート港の倉庫に保管されていた化学薬品の大爆発があり、ベイルートの半分以上が被害を受け、死者も218人出ました。ベイルート港は私の泊まったホステルから200mのところです。そして最近(2023年10月)はイスラエルとハマスの衝突で、レバノンのイスラム武装組織ヒズボラがイスラエルを攻撃しています。
「首都ベイルート」はかって「中東のパリ」と呼ばれる程に繁栄しましたが、1975年から15年間続いたイスラム教徒とキリスト教徒の内戦で街の半分が瓦礫と化しました。特にダウンタウン(旧市街)が主戦場になりましたが、今は復興して当時の面影は残っていません。
旧市街(ダウンタウン)の中心にそびえる「ムハンマド・アミーン・モスク」建物は新しいです。
隣に建つ「聖ジョージ教会」と。
教会の壁画。
モスク周辺にはローマ遺跡が発掘されています。
下町。
海岸沿いにある「鳩岩」はなんでもない岩ですが一応観光名所です。附近にはレストランやカフェが並んでいます。
「旧ホリディ・イン・ベイルート」の廃墟。1974年にオープンした有名ホテルですが、75年の内戦で閉鎖されそのままで残っています。
銃弾の跡があります。
2020年に大爆発があったベイルート港。
世界遺産「ビブロス」へ。ベイルートの北36kmにあり、ベイルート港そばのシャール・ヘロウ・バス&セルビス(乗り合いワゴン)ターミナルからトリポリ行きミニバス(セルビス)で約40分、途中下車します。2000LP(150円)。ビブロス遺跡は紀元前3000年頃、地中海貿易で栄えたフェニキア人が建設した世界で最古の都市国家です。そのほか新石器時代〜ローマ時代〜の遺跡が混在しています。ちなみにバイブル(聖書)の呼び名はこのビブロスから来ているそうです。またビブロスのギリシャ名はパピルスで書物の意です。入場料8000LP(600円)。
遺跡の管理はあまり行き届いていません。
「ローマ時代の列柱跡」
「十字軍の城」
アーチ橋を渡って。
入口。
「ローマ劇場」
「オベリスク神殿」
「紀元前20世紀の王家の墓」
その他寸景。
対岸はベイルートの街。
世界遺産「バールベック」へ。ベイルートの北東86km、シリアとの国境近くにあります。まずはベイルート港そばのシャール・ヘロウ・バス&セルビスターミナルの近くから空港方面行きのセルビスでアメリカン・ブリッジ(マタール又はコーラとも呼ばれる分岐点)へ行きます、1000LP(75円)。ここからバールベック行きミニバス(セルビス)で約2時間、5000LP(375円)。バールベックの街での宿泊も可能です。
「バールベック」(遺跡)は世界でも有数の大きさと優美さを持つローマ神殿跡です。基礎が築かれたのは紀元60年前後といわれています。入場料15000レバノン・ポンド(1130円)。
神殿入口。
入口の列柱(前の写真の右側)。
少し進むと150✕110mの「大庭園」エリアがあります。名前とは異なり祭祀の場と思われます。中央に犠牲を捧げた2つの祭壇があります。
上の写真の石を外側から見たところ。
大庭園より記念階段を上がった高台に「ジュピター神殿」があります。かっては85✕47mの基壇に高さ20m、直径2.5mの柱が54本並んでいましたが、今は6本が残るのみです。
雪をかぶったアンチ・レバノン山脈(シリア国境)と有名なレバノン杉と。
裏側(内側)よりバッカス神殿を望む。
「バッカス神殿」ほぼ当時のまま残っています。ジュピター神殿より規模は小さいですが、アテネのパルテノン神殿より大きいです。
左側面。
列柱よりジュピター神殿。
壁に倒れかかる柱。
バッカス神殿の後部(内陣?)。
その他。
ライオンの口には穴が開いていて、向こう側が見えています。
小さな博物館があります。
「ビーナス神殿」有料エリアの外(手前)にあるので無料で見られますが、柵で囲ってあるので中には入れません。
奥の建物がメインの遺跡です。
街のモスク。
次回(11/30予定)はエジプトのカイロに飛びます。
ありがとうございました。