2017年3月、ヨルダンの旅。首都アンマンの北50kmのところにある「ローマ都市遺跡ジェラシュ」へ。アンマンの北バスターミナル(ムジャンマ・シャマーリー)から約1時間、0.85ディナール(137円)。北バスターミナルへはダウンタウンからシェアタクシー(セルビス)で0.4ディナール(65円)です。最初に行った時はカメラを忘れてしまい、ジェラシュまで行ってそのまま引き返し、あくる日にあらためて行きました。バス代が安いので助かりました。ジェラシュに近づくと左手に遺跡の「凱旋門」が見えてくるので、その近くでバスを降ります。終点(バスターミナル)まで乗ると、だいぶんと行き過ぎになります。帰りも凱旋門近くでバスに乗れます。
「ジェラシュ」は古くからの街ですが、本格的に歴史に現れるのはアレクサンドロス大王(ギリシャ・マケドニア帝国)がこの地域を襲った紀元前332年頃からです。その後、セレウコス朝(シリア王国)を経て、紀元前64年からローマ帝国の支配下になって繁栄しました。遺跡はこの時期のものです。しかし614年にペルシャ襲来、636年にはイスラム軍による征服、そして8世紀の大地震て衰退し、12世紀頃から19世紀にドイツ人旅行者に再発見されるまで完全に忘れられた廃墟でした。入場料は10ディナール(1610円)。
まずはバス停近くにある「凱旋門」と「競馬・戦車競技場」です。ここはまだ入場門の手前にあるので無料で見学出来ます。
「凱旋門」紀元129年、皇帝ハドリアヌスが訪れたのを記念して建てられました。
「競馬・戦車競技場」戦闘用馬車などの競争が行われ、245✕52mの広さで当時は15000人が収容できました。左上は「凱旋門」です。
南門(入場口)から遺跡に入ってすぐ左手の高台に、紀元162年建立の「ゼウス神殿」があります。
ゼウス神殿のとなりに「南劇場(ローマ劇場)」があります。紀元90年頃に建造され5000人収容できました。
高台にあるゼウス神殿や南劇場の観客席の上階からは、遺跡の全体が見渡せて壮観です。
イオニア式の列柱に囲まれた楕円形の広場は「フォルム」と呼ばれ、市場か宗教的儀式に使われていたそうです。
左上に延びていのが「列柱通り」です。
広場(フォルム)から北門までの約600mの「列柱通り」には、石畳の道の両側に丸い石柱が並んでいます。
北門の手前にある「四面門」
四面門から続く北の端「北門」
列柱通りの中ごろ左手に「大聖堂」があり、この奥にはいくつかの教会跡があります。ローマ帝国は392年にキリスト教を国教と定めたので、ここでもいくつかの神殿が教会に転用されました。
大聖堂入口。
分かりにくいですが、神殿を転用した教会跡です。
教会跡に残る初期キリスト教のモザイク画。
大聖堂の隣に半神半人の妖精ニンフに捧げられた「ニンファエウム」があります。191年。
「アルテミス神殿」
その他寸景。
「北劇場」南劇場より小ぶりです。
遺跡の中でベドウィン(アラビア半島の遊牧民)が放牧を行っていました。
観光客。
帰りのバスに乗ったら乗客が少ないためか、途中で運行をやめてしまいました? 道路脇でアンマン方面へ行くバスを停めてから乗りますが、行先がアラビア語で書いてあるのでわかりません。近くにいた人に教えてもらいやっとアンマンまで戻れました。
次回(3/31予定)はヨルダンの至宝「ペトラ遺跡」です。
ありがとうございました。