2017年1月、エジプト・アラブ共和国「アスワン」の続きです。
「アスワン」はエジプト南端の街で、そんなに大きくはありません。気候は砂漠性で厳しいです。この辺りからスーダンにかけてをヌビア地方と呼び、アラブ人(エジプト人)でもなく、アフリカ人(黒人)でもないヌビア人(ヌーバ族)を多く見かけます。私がここに来た目的は「アブ・シンベル神殿」とスーダンビザ取得及びスーダン行きです。
アスワンの商店街「スーク通り」
「岩窟墳墓群」は古代エジプトとローマ支配時代の貴族の墓です。ナイル川西岸(街の対岸)の丘の中腹にあり、渡し舟で行きます。舟代1.5ポンド(9円)は当然のようにぼるので注意です。入場料40ポンド(240円)はギザのピラミッド(80ポンド)と比べると高く感じます。
丘の上の建物は廃墟(モスク?)です。
ナイル川上流、アスワンダム・アスワンハイダム方面。
街はずれにある古代の石切り場に長さ42m、重さ約1168トンの「切りかけのオベリスク」があります。完成していればエジプト最大になっていたそうです。入場料40ポンド(240円)、ここは特に高く感じました。
石に切り込みをつけてそこに「木のくさび」を打ち込みます。くさびを水で濡らすと膨張して石がきれいに割れます。
「アブ・シンベル神殿」は今から約3300年前、古代エジプト新王国時代第19王朝のラムセス2世によって建造された大岩窟神殿で、1813年にスイスの探検家ブルクハルトによって発見されました。その後アスワンハイダム(1970年完成)による水没の危機を、ユネスコの国際キャンペーンにより、60m上方に移されて救われました(1968年)。この出来事によってアブ・シンベル神殿はより知られるようになりました。
神殿はアスワンの南約280km、スーダン国境近くのナセル湖のほとりにあります。ホテルからのツアーが便利ですが、ツアーと言っても片道3.5時間をミニバス(ワゴン車)による往復だけです。130ポンド(780円)、ホテルによって料金は違います。
早朝3:30集合(ホテル内)、4:00出発。
7:30「アブ・シンベル神殿」到着。入場料115ポンド(690円)。
「ナセル湖」アスワンハイダム建設によって出来た巨大な人造湖。
犬のお出迎え。
岩窟神殿の前面に高さ20mのラムセス2世の巨像が4体並んでいます。
ラムセス像の頭上(枠の外)に日の出を喜ぶ「22体のヒヒ像」が並んでいます。
ラムセス2世像の右側2体。
左側の2体。
右側は崩れて、下に転がっています。
ラムセス2世像のひざ下には小さな「王妃ネフェルタリの像」があります。
岩窟神殿入口の上部には「ホルス神像(天空の神)」が刻まれています。
岩窟神殿内部は入ってすぐに大列柱室があり、オシリス神(冥界・再生復活の神)の姿をした高さ10mのラムセス2世の立像8体があります。そして両側の壁には、ラムセス2世の戦いなどのレリーフがありますが写真撮影は禁止です。
内部の一番奥に小さな神座像4体が祀られている「至聖所」があり、2月22日と10月22日前後には入口からの朝日によって神像が照らされます。この日には入場料が2倍近くになります。
入口手前にもレリーフが描かれています。
シリア人の戦争捕虜、首を縄でつながれています。
こちらはヌビア人の捕虜、シリア人とは顔・体つきが違います。
上下エジプト統一のレリーフ。
ラムセス2世像足元のヒエログリフ。
落書き?
大神殿の右手にある「アブ・シンベル小神殿」は王妃ネフェルタリのために造られました。正面に王妃ネフェルタリの立像2体とラムセス2世の立像4体が並んでいます。
右端のラムセス2世像。
右から2番目の王妃ネフェルタリ。
3番目ラムセス2世。
中央に入口があり、内部には同じように列柱室・至聖所があります。
足元の小像は彼等の子供達です。
9:30「アブシンベル神殿」から帰路へ。約2時間の見学は私には短かったです。
次回(1/5予定)はアスワンからスーダンへ向かいます。
ありがとうございました。